「鈍器本」と呼ばれて書店のビジネス書コーナーでもひときわ存在感を放っているこの本。
Audibleの聞き放題に入っていたので軽い気持ちで聴き始めたら、真似したい技法の数々にメモが間に合わず、すかさず書店で購入しました。
気になっている方は、書店で巻末の「独学困りごと索引」を読んでみて、購入すると決めたら紙の本がおすすめです。
「独学大全」 読書猿 ダイヤモンド社
人生100年時代、学びなおしが重要で、学び続ける人と学ばなかった人の間には大きく差がついてしまうと言われます。
学びたい気持ちも危機感もある、けれども、何をどう学べばいいのかわからないし、正しい努力の仕方もわからない。
漠然と「勉強して、会社に頼らず生きていける力をつけたい」というモヤモヤを抱えている、よくいる30代会社員、それが私です。
55の技法を通読してみての率直な感想は、「勉強して成果を出している人はここまで努力しているのだ」ということでした。
特に第2部と第3部で詳しく語られる独学の手法は、自分のこれまでの独学がいかに表面的であったかを痛感させられるものでした。
このように学んで、点と点だった知識が線になり、ネットワークとなることを感じてみたい、と思いました。
ただ、分厚いこの本にぎっしりと詰め込まれた技法を実践に移すことは、骨が折れることです。
そこで、筆者は独学に慣れていない読者のために、前から順に重要なことを書いてくれています。
つまり、骨が折れる独学という作業を始め、続けていくための技法を最初に紹介してくれています。
習慣化するためのスモールステップの方法などもためになりますが、その中でも私はやはり「技法1」で紹介された学びの動機を明確化するという作業が最初に必須であると感じました。
技法1 学びの動機づけマップ
私のうまくいっているとはいえない独学をもっと実りあるものにするために、さっそく「技法1」の学びの動機づけマップを作ってみました。
私の学びたいという気持ちがどこから来るのか、過去を振り返ってみると、高校時代に重要なきっかけがあったように思います。
私は実は小学校、中学校と勉強が得意な子どもでした。
高校は地域で一番の進学校に進学し、学校の勉強は楽しいと思っていました。
高校でもテストの点数は悪くなかったのですが、そこでは私から見ると個性的で大人っぽい同級生が大勢いて、しっかりと自分の考えを持っているように感じました。
たとえば、純文学を読んで、それに対して誰かの受け売りではない感想を話すというような同級生に、衝撃を受けました。
それが、テストの点数では測れない知性というものがあることへの初めての気づきでした。
そして、そのような知性をもって、自分の頭で深く物事を考え、自分の考えを持った同級生の会話に憧れを抱きました。
このような考えができて、知的な会話ができるということは、テストのためではない学びによって見える世界が変わるのだという期待にもなりました。
私はテストはできるけれど、それを実生活に応用するとか、自信を持って自分の考えを述べたりするだとかいうことが苦手な高校生でした。
なので、このときの気づきによって強烈な劣等感を覚えたのだと今では思います。
自分の言葉で考えられるようになりたいと、成功者の真似をしてみたり、それらしい本を読んでみたりと、自分なりに試みましたが、自信をもってそれができるようになったとは言えず、挫折を繰り返してきました。
一方で、学びによって見える世界が変わるという期待は、世の中の出来事や専門外の分野への関心、読書習慣という形で私の姿勢にポジティブな影響を与えてくれてもいます。
ただ、こうした努力が実っているという実感は薄く、色々なものに手を出しては続かないという状況でもありました。
だから今度こそは、正しい方法で学ぶことで考える力をつけ、その学びの先に見える世界を知りたいと思っています。
これが私の学ぶ動機でした。
結局は、自分の考えを持っている人、自分に見えていない世界が見えている(ように感じる)人に対する強烈な劣等感なんですね。
学んだ先に違う世界を見たい。いくら学んでも、その先には見えない世界もあるのだろうけれど、あのとき同級生が見えていた世界を見たい。
ここに記録して、独学の中で立ち戻る場所にします。
では一体何から学ぶのか?というところで悩んだのだけれど、まずはビジネスパーソンとして重要だとは思いながらもずっと苦手意識のあった「お金」について、この本を指針にして勉強を始めてみます。
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