当たり前のことをやり切ることで会議の質は上がる『世界で一番やさしい 会議の教科書(実践編)』

プロジェクトマネジメントの勉強をしています。
プロジェクトマネージャーにはファシリテーション力が求められる、ということで、会社の先輩に勧められて読んだ本です。

当たり前だけど、きちんとやるのは骨が折れることを真面目にやる。
仕事において大きな比重を占める会議を有意義なものにするには、これに尽きるのだなと再認識しました。

ちょっと前に、Audibleで別のファシリテーション本を聴きましたが、今回のこちらのほうがおすすめです。
もちろん、準備の重要性や議論を可視化することなど、共通する部分も多いです。
前回読んだ本の感想👇

『世界で一番やさしい 会議の教科書(実践編)』 榊巻亮 日経BP

ファシリテーションとは何か、から始まり、ファシリテーションの基本動作、心構え、よくある困り事への対策など網羅的に紹介されています。
基本動作がなぜ必要なのか、というところから丁寧に解説されているので、初心者にもわかりやすい。
よくある困り事の多くは「あるある」というもので、対策を読んでいても基本動作をしっかり実践することがベースになっていることがわかります。

8つの基本動作とは

  • 「確認する」ファシリテーション
    ①終了時に決まったこととやるべきことを確認する
    ②開始時に会議の終了条件を確認する
    ③開始時に時間配分を確認する
  • 「書く」ファシリテーション
    ④会議中に議論を可視化する
  • 「準備する」ファシリテーション
    ⑤会議前に準備する
  • 「矢面に立つ」ファシリテーション
    ⑥会議中に全員から主張を引き出す
    ⑦会議中に対話を促し合意形成する
    ⑧会議後に振り返りをする

一番印象的で、読んでさっそく意識しているのは「終了条件」でした。
終了条件とは「…すること」では不十分で、「その結果、どういう状態を作りたいのか」ということを考えなければならないと本書には書かれています。

私が主催したり参加してきた会議で、これが明確にされていた会議は残念ながらごくわずかでした。
とりあえず打ち合わせして話そう、ということが多すぎる。
プロジェクト全体におけるその会議の位置づけが曖昧なものが多すぎる。
その結果、議論が発散したり、ダラダラ会議になったりする。
よくある困り事の対策としても、終了条件を明確にしておくことで動きやすくなるものがとても多いです。

少なくとも自分が開催する会議においては、この会議後にどのような状態になっていればいいのか?ということをしっかり考えて準備をしようと、最近では意識しています。

主催者でなくてもファシリテーションはできる

本書の内容でもう一つ印象的だったのは、「隠れファシリテーター」という概念でした。
ファシリテーターの心構えの一つとしても紹介されています。
会議を仕切る主催者でないと8つの基本動作はできないように思いがちですが、参加者の立場でもこれらを意識して、ファシリテーターや他の参加者に働きかけることはできる。

基本動作の中で私がとても大事だと感じた「終了条件」にしても、『この会議の目的はなんだっけ?どんな状態になったら会議終了?』とファシリテーターに問うことで確認になる。
議論を可視化する「スクライブ」にしても、書記を買って出ればよい。

主催者でなくても8つの基本動作を意識して会議をファシリテートしようとすることで、会議はよりよいものになる。
隠れファシリテーターが何人も参加している会議は質の高いものになりそうです。

頭を使いやすい質問で議論を盛り上げる

基本動作⑥や⑦に関連しますが、議論が盛り上がらないという困り事に対して、『頭を使いやすい質問をする』という対策ができるようにトレーニングすることがファシリテーションスキルを上げるためにとても大切だと感じました。
相手が何を考えればいいかイメージしやすい質問をすることで、的確な答えが得られて議論が盛り上がるということです。

質問の例は
【NG】仮案を作りました。コメントしてください。
【OK】仮案を作りました。流れを見て「今より手間が増えそうだ」と感じる部分はありませんか?
OK例のような質問をすれば、相手は「手間」についてだけ考えればよいということで、頭を使いやすい。
何について考えればよいのだろう、というところで頭を使わせない質問が求められるのですね。

ここは、日頃からの意識と蓄積でうまくなっていくところだと思います。
実践あるのみ。

定着の4段サイクル

会議ファシリテーションに馴染みのない組織において、どうすればこれが定着するか。

  1. 必要性を実感する
  2. やり方を知る
  3. 失敗できる環境がある
  4. やってみる

特に大切な「1.必要性を実感する」とは、強い危機感や貴重な成功体験とも言えます。
組織として定着、浸透させるためには特にこの1と「3.失敗できる環境がある」が重要とのことです。
確かに、1が十分でないためにいつの間にかフェードアウトしてしまうとか、3がないためにやってみたいけれどできないとか、いかにもありそうです。
会議ファシリテーションに限らず、新しい習慣を定着させるために大切なサイクルですね。
小さなことからでもやってみて成功体験を積み重ねることで、サイクルはうまく回っていくようにも思います。

この次は、本書でもちょこっと触れられていた「図解」について、こちらで勉強します。

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