なんとなく、育児書は読んでも理想を押し付けられるだけで助けにはならない、と思っていたのですが、最近子どもにイライラしてしまって自己嫌悪に陥ることがたびたびあったので、藁にも縋る思いでAudibleでこちらを聴いてみました。
子どもが生まれる前の20代のころに「嫌われる勇気」を読んだので、聞き覚えのあるところも多かったですが、子どもとの接し方にフォーカスされているので今の自分に当てはまるところが多く、実践してみようと思うことがとても多い本でした。
少なくとも、「親は子どものために苦労してなんぼ」みたいな論調ではないので、子どもとの時間に疲れたときでも前向きになれると思います。
「子どもをのばすアドラーの言葉」岸見一郎 幻冬舎
冒頭にも書いたように、最近は子どもにイライラしてしまい、自己嫌悪に陥ることが何度もありました。
今は子どもが保育園児なので、無条件に親を頼りにしてくれていますが、この先小学校、中学校…と成長していったとき、何か困ったことや悩みごとがあったときに、相談しようと思える家族でいられるか。
辛いことや失敗することがあっても、自分にはこの居場所があるから大丈夫、と思える家族でいられるか。
どうすればそうなれるのか。
この記事👇で書いた、仁子さんのように、子どもが安心できる場を築きたい。
そう思って、子どもとの接し方を変えたくてこの本を手に取りました。
アドラー流の子育ては手間がかかる
アドラー流の子育ては、褒めたり叱ったりして子どもを思い通りに動かすことをしないため、とても手間がかかります。
褒めるのもダメなんだ、と思いましたが、結果が良かったときに褒めると、褒められないとしないようになったり、褒められるレベルの結果を出せそうにない時に挑戦しなくなるという弊害があると聞いて納得しました。
そして、褒められるレベルの結果を出せそうにない子どもが何をするかというと、親を怒らせることで関心をひこうとするといいます。
そうしてでも、親の関心を得ようとするというのは、切ないです。
基本的には子どもの課題と親の課題を分離することが重要なのですが、どうしても子どもの課題について話をしたいときは、子どもの許可を得て「親子の課題」にしてから話さなければならない。
だから、手間がかかるのです。
子どもと良い関係を築く
子どもの大切な課題を「親子の課題」にする許可を得るためには、もちろん子どもと良い関係を築いている必要があります。
重要な心構えは、「子どもを対等にあつかう」ということです。
子どもの立場になれば、上から目線で命令をしてくる人の言うことを聞きたいと思わないのは当たり前です。
なるほど、本当におっしゃるとおりです。
なんで自分の子どもが相手になると、こんなにも傲慢になってしまうのでしょう。
子どもだからわからない、ではなく、子どもが理解できるように説明すべきなのですね。
そして、子ども自身の責任のとれる範囲で、自分で自分のことを決められるようにすることも、子どもを対等に扱うということだと思い知りました。
子どものよいところに注目し、言葉を意識する
本書の中に出てきた、子どものダメなところにばかり注目する親の言葉は、とても悲しいものでした。
私もそうしてはいないか?
子育てって大変なんだもん、中でもうちの子はこんなんだから大変なんだもん、という目で見てはいないか。
そんな目で見られていたら、子どもは家族を安心できる場所だと思えるか。
困った時に頼りにしてくれるか。
大前提は、子どものありのままをポジティブに見ること。
自分の心の中にしかいない「理想の子ども」と現実の子どもを比べて、悪いところを嘆いたりしないこと。
本書から学んで、すぐに実行し始めたことは、子どもにかける言葉を意識することでした。
命令ではなく、お願いをする。「…しなさい」をやめて、「…してくれる?」に変えました。
子どもの課題に対して、褒めたい気持ちになったときは、結果ではなくプロセスを褒めるようにする。「すごいね」をやめて、「頑張ってるね」に変えました。
子どもの、自分は役に立てているのだという気持ちを育てる声かけをする。「ありがとう」や「助かった」という言葉を使うようにしました。
こうした言葉かけから継続して変えていき、少しでも、子どもとの良い関係を築いていきたい。
迷ったときには、また読み(聴き)返したいと思う本でした。
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