技術士の受験申込の季節がやってきました。
私は今年度34歳で技術士 総合技術監理部門に一度目の挑戦で合格しました。
30代前半といった受験資格を得て間もなくの受験では口頭試験が不利になるとも言われています。
そんな中で私が一度目の挑戦で合格できた試験対策法を紹介し、これから受験する方のお役に立てればと思います。
ちなみに総監の前には29歳で建設部門にも一発合格しています。こちらも近々紹介します。
技術士試験にあたって対策すべきは以下の3点です。
- 受験申込書
- 筆記試験
- 口頭試験
それでは順を追ってどのような対策をしたかを紹介していきます。
1.受験申込書
総監を受験する方はすでに技術士の資格を持っている方なので言うまでもないかもしれませんが、受験申込書は絶対に適当に書いてはいけません。
なぜなら、めでたく筆記試験に合格し口頭試験に進んだ場合、口頭試験の問いの多くがこの受験申込書に書いた経歴をもとになされるからです。
口頭試験の合格率は筆記試験に比べればかなり高いものではありますが、せっかく筆記試験に合格したのに口頭試験で不合格とならないよう、受験申込書の段階から口頭試験を見据えた経歴書(特に詳述業務)を作成する必要があります。
私の場合、初めての総監受験ということでベースとなる経歴書もないので、受験申込締め切りの1か月半ほど前から余裕を持って受験申込書作成を始めました。
まずは完成度が低くてもいいから早い時期に経歴書の形を作って、複数の総監技術士に意見をもらってブラッシュアップしていく作戦です。
社内外を含め、できる限りのツテを使って、複数の人の目で経歴書を改善していくことを強くおすすめします。
総監の技術士といえども、採点基準を詳しく知っているわけではなく自身の経験をもとにアドバイスするでしょうから、どうしても偏りや抜け漏れが出る可能性があるためです。
詳述業務では、「総監の技術士にふさわしい内容」となることを意識して記載します。
何が総監の技術士にふさわしいのか?正直なところ、初めての受験であった私は「5つの管理」とは何かも知らない状態で、建設部門と同じ感覚で経歴書を作ってしまっていました。
当然、5つの管理が盛り込まれていない詳述業務では「総監の技術士にふさわしい」とは言えませんから、さっそく総監技術士の先輩に指摘されることになりました。
その後も、合格した受験申込書を収集して共通点を探ったり、使えそうなポイントを参考に修正を重ね、総監技術士の意見をもらって経歴書を仕上げていきました。
詳述業務は直近のものがよいと言いますが、当然ながら「総監の技術士にふさわしい内容」を書きやすい業務を選ぶことも重要です。
2.筆記試験
筆記試験は択一式と記述式の2種類ですが、これらの合計点で合否が決まります。
特に総監として経験が乏しい30代前半の受験生にとっては「択一逃げ切り作戦」が必須です。
正直に言って、総監の筆記試験対策は若い技術者には辛いものがありますが、試験対策と割り切って勉強しましょう。
私は鹿島出版会の問題集を買って繰り返し解くことにしました。
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解説も十分あって、予備知識がなくても択一対策としては問題ないと思います。
私はいわゆるワーママで自宅での試験勉強の時間があまりとれないため、通勤時間と昼休みに集中して問題を解きました。
試験までに問題集を3周くらいしました。
過去問を数年分解いて、「総監の試験とはどんなものか」がぼんやりと見えてきたところで、いわゆる「青本」(技術士制度における総合技術監理部門の技術体系 日本技術士会)の勉強をしました。
過去問に出てくるあの問題は〇〇管理なのね、ということが整理できます。
青本は現在絶版なので、私は先輩から譲り受けました。
それができない場合は中古を探すか(メルカリでは結構高値で売れていました…)参考書を使うかになります。
5つの管理がどんなものなのかを理解するには過去問だけでは不十分なので、何かしら体系的に整理されたもので勉強する必要があると思います。
「択一逃げ切り」を目指していたので記述式の勉強は本当に直前に少ししたのみです。
過去問を使って必ず解答用紙に書いてみることが重要です。
与えられた背景に対して特定のプロジェクトを仮定し、課題と解決策について述べるのが基本の出題の形ですが、セオリーは解決策から逆追いで考えることです。
3.口頭試験
総監の試験対策の中で一番真面目に勉強したのは、実は口頭試験対策です。
上述したように辛い筆記試験に合格できたのに、合格率が低くない口頭試験で不合格になったら残念すぎる。
試験対策は5つの管理とは何かを思い出す程度に青本を復習し、その後はひたすら想定問答を作ることです。100個くらい想定問答を作りました。
口頭試験で主に問われることは経歴書の内容を含めたこれまでの経験についてです。
「詳述業務は本当にあなたがやったのですか?」と確認するような業務の細かいことを確認される質問もありますが、どのような総合技術監理を行ったかということがメインになります。
詳述業務やその他の経歴書に書いた業務で5つの管理のうち何を重要だと考え、どのような管理をしたのか。
課題を解決するためにどのような方法を検討し、なぜその方法を選んだのか。
5つの管理のトレードオフを理解したうえで強弱をつけて判断したことを説明する必要があります。
想定問答を作るにあたってはそのことを念頭に、業務におけるトレードオフを説明できる準備をしていました。
たとえば、「経済性管理と人的資源管理がトレードオフとなった経験について説明してください」といった質問に対する回答をすべてのパターンで用意していました。
ある程度想定問答が仕上がったら、またしても周囲の総監技術士の力を借りる作戦で、模擬面接のアポを複数回とり、フィードバックをもらうことと面接に慣れることを目指しました。
総監技術士のアポを取れない場合は、想定問答を作ったら家族などに面接官役をお願いして回答に慣れておくことだけは必須だと思います。
必ず聞かれるであろう自己紹介「これまでの経歴を○分で」といった質問に対してわかりやすく回答できているかどうかは、総監技術士でなくとも判断できると思います。
ぜひフィードバックをもらいましょう。
以上、技術士総合技術監理部門に一発合格した試験対策法のご紹介でした。
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